素材のはなし

すべてはお客様に「おいしいお菓子で喜んでいただく」ために。
素材を厳選し、つくりを極め、品質を追求する。 えびを知り尽くした桂新堂だからできる、えびせんべい。
そのこだわりと情熱が桂新堂ならではのおいしさをつくり上げています。

虹色に輝く姿、とろける甘味。えびせんべいのための国産「車えび」

姿の伊勢えび、味の車えび

ピチピチと跳ねる姿が光を受けて虹色に輝く美しさ。
車えびは桂新堂の本拠地である愛知県の魚でもあります。
身がしまり、上品な甘みとえびの味が濃厚なのが特徴です。
えび特有の甘みの素であるアミノ酸の一種、グリシンやアルギニンが多く含まれています。

活車えび。活きているものは透明感があります。

桂新堂の車えび

桂新堂では他社に先駆け、平成元年から高級食材である車えびに着目しました。桂新堂は沖縄・宮崎・鹿児島・佐賀・熊本・大分・長崎・和歌山で養殖した「ジャポニカ種」と呼ばれる国産の車えびのみを使用しています。
養殖のえびを使うことで、生産者や生産時期、生育環境やえさ、育成方法を管理することができ、徹底した品質管理によって高品質で安全な車えびを安定してお客様に提供できるのです。

鮮度はいのち

えびせんべいの味の決め手は鮮度。
微妙な鮮度のよしあしが味を変えてしまいます。
桂新堂で使用する車えびは水揚げされたらすぐに箱詰めされ、空輸で愛知県の手焼き工場へ直送します。流通の間は常に冷蔵状態を保ち、鮮度が落ちないよう細心の注意を払います。
輸送する際に、狭い水槽では車えびが暴れてえび同士が傷ついてしまいます。それを防ぐため、保水性の高い特性シートを敷いて車えびが眠った状態で運びます。鮮度はもちろん、美しい姿を保つための工夫です。そして、工場に到着するやいなや温度と冷蔵状態をチェックします。
こうした細かいこだわりがおいしいえびせんべいをつくり上げるのです。

鮮度と美しい姿形を保つため、
丁寧に箱詰めします。

工場に到着したらすぐに温度をチェックします。

使用作品 ■ 海老づくし ■ 海の宴  
美味なる車輪

優雅で美しい姿の車えび。身を丸めると、縞模様が放射線状になって車輪のようにみえることからそう呼ばれます。
大きさによって呼び名も異なり、15cm以上が車海老、10~15cmはマキ、それ以下はサイマキ(鞘巻)と言われます。
武士の腰刀の鞘巻(サヤマキ)に似ていたためサヤマキと呼んだのが、時代とともになまったのだそうです。




繊細な海の宝石「甘えび」を守る エビカゴ漁と北海道工場

深い海の赤い宝石

甘えびの正式名称はホッコクアカエビ。
独特の甘さが特徴のため、日本では甘えびという名で親しまれています。海の中では淡いピンク色の可憐な姿。北太平洋の深海にひっそりと生息しています。
すべてオスで生まれる甘えびは5~6歳でメスになる不思議な生態を持っています。

真っ赤な活き甘えび。

北海道産甘えびの醍醐味

甘えびの国内漁獲高が最も多い北海道。
桂新堂は北海道日本海側(余市、増毛、羽幌など)で水揚げされた甘えびを使用しています。
大きなものは踊り焼きに、少し小ぶりなものは姿焼きに。大きさよって使い分け、甘えびのおいしさを最大限に引き出しています。

美味しさを求めて-北海道工場

とても繊細な甘えび。どんなにすばやく空輸をしても鮮度が落ちるのは避けられません。

そこで2009年3月、「新鮮な甘えびを使って、もっと美しくてもっと美味しいえびせんべいをつくりたい」と、余市漁港から車で5分のところに工場を設立。 とれたての新鮮な甘えびを、すぐに工場へ運び、えびせんべいにすることが可能になりました。

おかげで、甘えびのお菓子は味も色合いもさらに美味しく鮮やかに。味のためには妥協を許さないえび職人の矜持です。

北海道工場

獲れたての甘えび

漁師の皆さん


エビカゴ漁で使うエビカゴ

漁も職人技 エビカゴ漁

桂新堂で使う甘えびは、すべて「エビカゴ漁」という手間のかかる漁法で水揚げされています。 その名のとおり、「エビカゴ」と呼ばれる漁具に餌を入れ、甘えびが入るのを待って引き揚げます。
網で大量に引き揚げるトロール漁とは異なり、繊細なえびの姿形を崩すことなく活きたまま水揚げされるので、美しい「踊り焼き」「姿焼き」をつくるには最適な漁法です。

使用作品 ■ 海老づくし ■ 海の宴 ■ 炙り焼き詰合せ
■ 甘えび炙り焼き    
甘えびの不思議

えびの幼生は不思議な形と過ごし方をしますが、なかでも甘えびはちょっと変わり種。 若い個体はまずオスとなり、5~6歳でメスに転換します。味はメスになる直前のオスが美味と言われています。
甘えびは名前の通り強い甘みが特徴ですが、甘えびの甘みの成分はグリシン、アラニンなどアミノ酸。 捕獲後、自己分解酵素が活動し、タンパク質をアミノ酸に分解します。 それには多少の時間が必要なため、捕獲直後は甘みも独特の身のとろみもないのです。


日本人の暮らしに寄りそう「赤えび」たち

いにしえ人も食した美味

海に恵まれた伊勢湾や三河湾では古来よりえびがよく獲れたそうです。いろいろなえびが獲れる中で、赤えびと呼ばれる小型のえびも沢山獲れました。大きさは少々小ぶりながら、濃くて甘い味の赤えびは、天ぷら、かきあげ、煮付けなど生活に根ざしたえびとしてたいへん身近な存在です。

「赤えび」と呼ばれる小型のえび。

えびせんべいのルーツ 赤えび

桂新堂のえびせんべいの歴史を語るには、赤えびはなくてはならないえびです。桂新堂は伊勢湾で獲れた赤えびでえびせんべいを作っていました。
伊勢湾ではその地形から栄養分が逃げず、豊富な栄養と綺麗な海によってえびが大量に獲れました。その様子は「えびが湧く」と言われるほどでした。冷蔵庫のない時代に保存食として、えびをすり身にして焼いた「えびはんぺん」がえびせんべいのルーツと言われています。
伊勢湾や三河湾で獲れたえびがえびせんべいの原点であり、今でも「えびせんべいと言えば愛知県」として全国の方から親しまれています。



味を求めて海から海へ

赤えびは、場所によって味や食感など、違う特徴を持っています。 旨みの強い三河湾・瀬戸内海産の赤えびとインド・中国産などの甘味と弾力の強い赤えびを合せて焼き上げた赤えび炙り焼きは、深い味わいと独特の食感が人気です。
伝統の渦巻きには、国産の赤えびを使用しています。 お菓子ごとに素材の産地を使い分け、その特徴を引き出しています。

使用作品 渦巻き・・・ ■ 海老づくし ■ 海の宴  
  炙り焼き・・・ ■ 赤えび炙り焼き ■ 炙り焼き詰合せ
えびはなぜ赤くなる?

ゆでると赤くなるえび。子供のころに、最初からえびは赤い生き物だと思っていた人も多いのではないでしょうか。えびにはアスタキサンチンという赤い色素があり、生きているときはこの色素がタンパク質と結びついているため赤くありません。しかし、加熱をすると色素からタンパク質が離れ、赤くなるのです。同様に、酢につけたり、鮮度が落ちても、タンパク質の働きがどんどん弱くなり赤っぽく変化するのです。


威風堂々。「伊勢えび」縁起

神さまのえび。日本のこころ

鎧のような真紅の体、長く伸びた立派なひげ、曲がった腰の凛々しい姿は、古より長寿繁栄の縁起もの。 その名を冠する伊勢の地の海で獲れた初物は神事の供え物として伊勢神宮に献納されます。
姿形だけでなく、透き通ってぷりぷりした身は甘みの深い最上の美味。「生で良し、焼いて良し、茹でて良し」のえびの王様と云われる所以です。
20~30cmと立派な体躯で、大きなものでは体長40cm、重さ1kg近くになるものもあります。



「伊勢えび」の「えびせんべい」

桂新堂で使う伊勢えびは、伊勢の地のお膝もとである三重県産の伊勢えびのみ。 立派な伊勢えびをえびせんべいに仕立てるのは、日本広しといえどもあまり聞きません。 活きた伊勢えびを捌き、丸々えびせんべいにした「伊勢えび浜焼き」や、ほぐした身を贅沢に使用し焼き上げた「伊勢えび天上焼き」。 えび一筋の桂新堂だからこそできる、贅の極みともいうべき伊勢えびのえびせんべいです。

姿形の立派な伊勢えび。

才色兼備。橙色の「ぼたんえび」

鮮度がいのち。弾ける甘味

からだの橙色の斑点から「ぼたんえび」と呼ばれるこのえびは、体長20cmにもなります。柔らかすぎず弾力のある身は、ぷりっとした歯ごたえと甘みのあとに濃厚な旨みがひろがる食通垂涎の的となっています。



北海道産のぼたんえび

桂新堂で使用するぼたんえびの産地は甘えび同様、北海道日本海側の増毛・羽幌・余市漁港です。ぼたんえびは刺身や寿司としてそのコクのある甘さが知られていますが、桂新堂では、一尾一尾丁寧に殻をむいて焼き上げた「姿焼き」、旨味をぎゅっと閉じ込めて焼き上げた「炙り焼き」で、ぼたんえびならではの美味しさを味わうことができます。

橙色の斑点が特徴のぼたんえび。

滋味口福。強い旨味の「芝えび」

かつて東京の芝浦でよくとれたことからその名が付いたと言われる「芝えび」。強い旨味が
特徴とされ、日本では昔から、かき揚げ、天ぷらたね、そぼろなどで親しまれてきたそうです。
昔から日本人になじみの芝えび。桂新堂では国産のものにこだわって使用しています。

小ぶりな芝えび。

使用作品 伊勢えび・・・ ■ 伊勢えび浜焼き ■ 海の宴    
  ぼたんえび・・・ ■ 海老づくし ■ 海の宴 ■ ぼたんえび炙り焼き ■ 炙り焼き詰合せ
  芝えび・・・ ■ 海の宴
臆病者な伊勢えび

味はもちろん立派な姿形が好まれる伊勢えびは、大きな体の割にとってもデリケート。 ショックを与えると脚を自分で落としてしまったりするため、水揚げの時も丁寧に扱われます。 そして、寒さにも弱いので、船上では伊勢えびに毛布をかけて保温するそう。音や光に敏感なため、雷も嫌いだそうです。 堅固な鎧を身につけているような姿に似合わず、意外と臆病なのですね。


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